7月26日、建築技術教育普及センターから今年の1級建築士設計製図試験課題発表がされました。昨日も投稿しましたが、今年は「大学」!!シンプルです。。学科試験が7月28日(明日!)ですから学科受験予定の方は今日は最後の見直しかと思います。学科試験終わったらすぐに考えましょう。
初出題「大学」の背景

どの課題になったとしても、それなりの背景があるのは当然なのですが。。試験元は、「大学」という課題を通して「公共建築に必要な機能」「現代の大学施設に求められる施設」「大学が持つ多様な機能」「現代のニーズとトレンド」などの能力を問うのだと思われます。
大学は小学校や中学校と違い、多種多様な機能を持ちます。教室、図書室、研究室、食堂、カフェ談笑スペース、寮、スポーツ施設などなど。複合施設に必要な要素が盛り込まれることは間違いありません。また、生涯教育の時代ですから、大学でも高齢者や障がい者が利用できるようバリアフリーの知識も必要です。実際試験元は発表で「バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。」と明記しています。
そして、公共建築に求めれる機能を十分理解しているかが問われます。機能への理解を深めることも非情に重要ではないかと思います。
今年の課題は難しい?

ふたを開けてみなければわかりませんが、難しいと思います。合格率は調整されますから、上位35%程度が合格することには変わりありませんが。というか毎年難しいです。。
特に今年もそうですが「ヒントにするためのサブタイトルがない」こと、これが多くの受験生を悩ませます。例えば、
■平成27年 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建物である。)
■平成21年 貸事務所ビル(1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸スペースを計画する。)
割と想像し易いと思いませんか。それに対して今年は「大学」、、
今年も昨年に続き、要求図書に、「各階平面図については、試験問題中に示す条件等において指定する」とあります。階数がわからないのです。また、どのようにまとめるのか、構成要素も絞りにくいと思います。つまり多くの学習パターンを理解する必要があると思います。
大規模災害への備え

今年1月1日、能登半島地震がありましたがその影響でしょうか。留意事項に「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする。」とあります。このあたりも、どのように対策をすればよいのか頭を悩ませます。当たり前ですが、免震構造や制振構造など幅広い構造の知識も万全にする必要があります。
先ほども書きましたが、平成27年課題では、課題発表時に「基礎免震構造を採用した建物である」と示してくれました。今年の受験生はいろいろな可能性があるので大変かと思います。。
大学は皆さんお住まいの近くにわりとあるのではないでしょうか。地方の方はなかなか難しいかもしれませんが、配慮を持ち、見学されると良いかもしれません。でもやはり見学するなら、可能なら、直近5年以内に新築改築された棟などを見るのが参考になる気がします。
いよいよ夏本番、梅雨も明け、7/28の学科試験が終われば一気に10月まで設計製図モードです。
そして、学科受験される皆さま、設計製図は学科試験の知識を総動員されて6.5Hで描き上げる試験です。学科の知識を今年設計製図で活かせるよう心から応援しています!

