一級建築士学科試験 科目別合格基準について過去試験から考えてみる

10一級建築士学科試験

皆さんこんばんは。1級建築士学科試験が行われてから4日経ちました。受験された皆さんの心も少しずつ冷静になってきたでしょうか。1級学科試験について3回目の投稿をします。先日の投稿では、各科目の足切ラインについて、今年は例年通りの「11・11・16・16・13になるでしょう」という話をしましたが、過去結果から少し考えてみたいと思います。

過去上方修正されたことはあるのか?

姉歯耐震偽装事件からもうすぐ20年経ちます。この事件をきっかけに、建築士の資質能力が問われるようになり、学科試験設計製図試験ともに平成21年から新試験制度に突入しました。令和6年試験が行われ、これで新試験16回目が終わったことになります。今年の結果はまだですから、新試験過去15年を振り返ってみますと、基本ベースの「11・11・16・16・13」から上方修正された年は、「一度もありません」。以前もお伝えしましたが、試験元は「例外」を好みません。
では、過去もっとも合格総得点基準点が高かった「97点」のとき、科目別基準点はどうだったでしょうか。97点は、新試験制度元年の平成21年と令和元年の2回です。この2回でさえ、科目別基準点は「11・11・16・16・13」でした。今年も基準点の上方修正はないでしょう。

過去の科目別下方修正は?

では、過去の下方修正はどうでしょうか。平成21年から令和5年まで過去15回において、下方修正されたのは、過去3回ありました! 平成27年、令和2年、令和3年の3回です。
■平成27年…環境設備が補正され10点に(この年の総得点基準は92点)
■令和2年…環境設備が補正され10点に(この年の総得点基準は88点)
■令和3年…計画が補正され10点に(この年の総得点基準は87点)

平成27年、新試験制度になってから、「初めて」科目の補正がされました。当時は業界内では話題になりました。科目毎の補正もあるのだ!と。この年の環境設備、めっちゃ難しかったですよね。。不合格と思っていた受験生が、設計製図の勉強をせず(当然です!)、合格して慌てて勉強を始めた方も一定数いらっしゃったと思います。
最近では令和3年の計画ですね。計画史上もっとも難易度の高い内容で、総得点はクリアしているにもかかわらず計画の足切で不合格、、たくさんいらっしゃったと思います。もしかしたら計画の基準点が「9点」になるのでは?!という噂もあったくらいでしたから。(昔話が多くてごめんなさい)

法規・構造・施工は基準点変更の歴史なし

表題の通り、です。実はこの3科目、下方も上方もどちらの修正もありません。まあ、法規や構造といった1科目30問の科目は足切にしにくい部分はありますし、そもそも足切をしたところでほぼ影響はないでしょう。学科合格されている方は、法規構造は最低でも20点以上取得されている(いや、もっとか)方が圧倒的に多いと思います。施工の足切がないのは意外ですね。今後は施工の足切は可能性ゼロではないと思っています。
計画は、建築史(建物)問題が多いと受験生大変ですよね。。多い年だと、都市計画を含めて7問出題された年もありますから。。建物の問題は対策が難しい。。実力で取得できる問題数が少なくなれば、足切に引っかかる可能性増えますよね。。

今年の科目基準は「11・11・16・16・13」と予測!

前回の投稿と同じです。少しだけ具体的に根拠を示させていただきました。今年の総得点基準点は最低でも93点以上、私は94点または95点を予想しています。過去93点以上で、科目別基準が補正されたことは一度もありません。ですから、今年は「科目基準の下方修正はなし!」「科目基準の上方修正は今年なし!」でしょう!